アトピー肌の人も日焼け止めを!選ぶポイントと注意点
2018.08.16
夏は、汗をかきやすいシーズンですよね。
アトピーの方は、汗をかくことで肌が荒れやすくなり、いつもよりもお肌の状態に敏感になるのではないでしょうか。
日焼け止めの使用については、かゆくなったり肌荒れの原因になるからと、利用したくない方も多いのではないでしょうか。
しかし、アトピーの人の肌が日焼けすると、余計に症状が悪化しやすくなり、日焼けによるダメージも受けやすくなります。
ここでは、アトピー肌の方が日焼け止めを使う場合のおすすめな使用方法や、注意点などについてご紹介します。
アトピー性皮膚炎って?
アトピー性皮膚炎に悩むかたは、45万人を越えるといわれています。
かゆみを伴う湿疹が出たり治ったりして、その状態が長期間続く場合が多いです。
アトピー性皮膚炎になる原因は正確には分かっていませんが、遺伝や食生活、環境などの様々なことが影響すると言われています。
家族にアトピー性皮膚炎のかたがいる場合や、本人や家族が気管支喘息にかかっている場合、アレルギー性鼻炎にかかっている場合になりやすいとも言われています。
アトピー性皮膚炎の人の肌の状態は?
ガサガサしたり、湿疹を繰り返したり、かゆみに悩んだり…。
アトピー性皮膚炎の方は、何らかのきっかけでかゆみが強くなったり弱くなったりして、ストレスを抱えている方もいます。
アトピー性皮膚炎になると、湿疹やかゆみだけではなく、皮脂の分泌が少なくなることによって、乾燥しやすくなります。
また、紫外線や基礎化粧品などの肌に付ける化粧品類、衣服の素材など、刺激に弱く敏感です。
アトピーが紫外線の影響で悪化する!?
紫外線は、美肌にとってはとても悩ましい存在です。
日焼けはもちろん、日焼けによってシミやシワ、たるみの原因になり、肌の老化につながる原因になります。
紫外線は悪いことばかりではない!
紫外線はお肌の敵!確かにその通りで、きちんと対策をしないと肌の老化につながりやすくなります。
しかし、紫外線は身体にとってマイナスなことばかりではありません。
紫外線を浴びると、ビタミンDが身体のなかで作られます。
ビタミンDは、免疫力を高めたり、血管や心臓の機能をよくする助けになったり、歯や骨を強くすることで知られています。
アトピー肌の人は紫外線に敏感!
アトピー肌の方は、紫外線による肌のダメージを考えた行動を優先すべきです。
アトピー肌の方は紫外線の影響を受けやすく、肌老化につながりやすいからです。
そして、日焼けにより肌がやけどした状態になると、皮膚の痛みやヒリヒリ感を感じることもあり、普段の肌の悩みがプラスされ、さらにひどい状態になってしまうかもしれません。
アトピーの人の肌がなぜ紫外線に敏感なのかというと、いくつか理由はありますが、もともと乾燥しやすい肌状態にあることが大きく影響します。
日焼けと肌の乾燥の関係
日焼けすると、皮膚がやけどを負った状態になり、ほてりや炎症が起こります。
そのため、水分が蒸発しやすく、またダメージを負った肌はうるおいを保つことが難しくなり、乾燥しやすくなります。
アトピーの人の肌は、もともと乾燥しやすい状態です。
紫外線を浴びて活性酸素が発生すると、皮膚の脂質が酸化し過酸化脂質になります。
過酸化脂質は、皮膚が保湿する力を奪うため、さらに乾燥しやすくなります。
アトピー肌の人も日焼け止めは使うべき!
日焼けは、肌に大きなダメージを与えます。
かゆくなるから、肌荒れするからといった理由で日焼け止めを使っていない方は、もう一度見直してみましょう。
肌荒れしやすい人のために作られた日焼け止めもあるようです。
昔、日焼け止めを使ってダメだったからと、そのまま使ってこなかった方は、最近のものを試してみてはいかがでしょうか。
アトピー肌におすすめな日焼け止め
日焼け止めには2種類ある
日焼け止めには2種類あり、紫外線吸収剤の日焼け止めと、紫外線散乱剤の日焼け止めがあります。
紫外線吸収剤と紫外線散乱剤は、どちらか、または両方使われている場合があります。
紫外線吸収剤とは
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収することで肌へ到達する紫外線の量を減らして、肌を守ります。
紫外線散乱剤に比べると、肌への刺激が強いとされているため、アトピー肌の人には不向きと言われています。
紫外線散乱剤とは
紫外線を吸収するのではなく、跳ね返すことで肌を守ります。
紫外線吸収剤に比べると、日焼け止めとしての効果が弱いと感じるかたが多いですが、肌にとっては刺激が少ないです。
汗をかいたときに落ちやすい、長持ちしないといった印象もありますが、最近のものはどんどん改善してきています。
紫外線散乱剤のみ使われている日焼け止めは、ノンケミカルと表記される場合もあります。
アトピー肌の方は、紫外線散乱剤のみが使われた日焼け止めを選びましょう。
その他の日焼け止めを選ぶためのポイント
アトピー肌の方は、紫外線散乱剤のみのノンケミカルな日焼け止めをおすすめしました。
その他にも、できるだけ無香料で無着色の物の方がよいとされています。
また、日焼け止めの成分に、界面活性剤や合成界面活性剤、人工着色料、防腐剤が含まれている場合は、避けたほうがより安心と言われています。
できるだけ、ノンケミカルや紫外線吸収剤フリーと記載されているものを選びましょう。
ノンケミカルでもパッチテストしてから!
ノンケミカルの日焼け止めを見つけても、とりあえずはパッチテストをしてから使用されることをおすすめします。
パッチテストの方法は、二の腕の内側など目立ちにくいところにコインくらいの量の日焼け止めを塗り、1日様子を見ます。
もし、日焼け止めを塗った後でかゆみや赤みなど、肌の異常を感じた場合はすぐに流します。
肌に異常を感じなかったら、本格的に使用してみましょう。
日焼け止めを塗るタイミングの正解
化粧下地の上に日焼け止めを塗る
日焼け止めは、ノンケミカルなものでも肌にとっては負担になる可能性があります。
基礎化粧品でしっかり保湿して、化粧下地を先に塗ります。
そして、化粧下地の上に日焼け止めを塗り、ファンデーションなどを重ねます。
日焼け止めと化粧下地を兼ねたものも多数ありますが、基本的には普段使用している敏感肌用の化粧下地の上に重ねほうがおすすめです。
化粧下地をこれから購入する方は、上に重ねる日焼け止めよりもSPF値やPA値が低いものを選びましょう。
ファンデーションは?
ファンデーションにも、UVケア用のものが増えてきましたね。
BBクリームやCCクリームは、下地からファンデーションまで1本で行えるなど、とても便利なアイテムです。
しかし、アトピー肌の人はBBクリームやCCクリームを選ぶ場合には注意が必要です。
BBクリームやCCクリームといったオールインワンタイプのものは、界面活性剤が多く含まれている可能性があります。
アトピー肌の人にとっては、界面活性剤が負担になる場合がありますので、面倒でも下地、日焼け止め、ファンデーションを低刺激なものでそろえたほうがよいでしょう。
BBクリームやCCクリームは、本来化粧下地を使わなくても利用しやすいものが多いですが、アトピー肌の人は化粧下地を使ってから使用することで肌の負担を減らせる場合もあります。
どうしてもBBクリームやCCクリームがいい!という方は、下地を低刺激なものにして使用されることをおすすめします。
処方薬がある場合
皮膚科に定期的にかかっていて、軟膏などの塗り薬が処方されている方も多いと思います。
一番おすすめなのは、お医者さんに日焼け止めを塗る順番について教えてもらうことです。
一般的には、塗り薬がある場合、まず基礎化粧品で保湿して、外用薬を塗り、その上に日焼け止めを重ねます。
アトピー肌の人が最低限押さえたい日焼け止めの知識
日焼けは、できれば最低限に抑えて肌のダメージを受けないようにしたいですね。
当たり前かもしれませんが、必要以上に紫外線を浴びないことが第一です。
しかし、仕事や部活などで外で過ごすことが多い場合は、日焼け止めや帽子、長袖などで肌を守りましょう。
ノンケミカルの日焼け止めをおすすめしましたが、ケミカルのものと比べると効果が弱めであることがあります。
こまめに塗り直すように意識しましょう。
日焼けしてしまった時
冷やしてほてりを抑えましょう。
軽度の日焼けであっても、肌はダメージを受けていて、乾燥しやすい状態になっています。
日焼けしたら、まずは冷シャワーや冷タオルなどで冷やしましょう。
そして、保湿も大切です。
ヒリヒリするなどの刺激がないか確認して、敏感肌用の化粧水をたっぷり使って保湿します。
もし、水ぶくれや我慢できないかゆみ、痛み、ほてりなどがあれば、早めの皮膚科受診をおすすめします。
日焼け止めのオフも大事!
ムラなく丁寧に塗った日焼け止めは、きちんと洗い流すことも大切です。
日焼け止めが残ると、毛穴に詰まってニキビの原因になったり、黒ずみにつながる場合もあります。
日焼け止めの種類によって、落とし方は変わるため、使用している日焼け止めの注意書きをよく読んで、推奨された落とし方でオフしましょう。
アトピー肌の方の場合、お湯で落とせるタイプのものや、石鹸やボディソープで落とせるタイプの日焼け止めがおすすめです。
日焼け止めによっては、クレンジングや専用クレンジングを用いる場合もあるため、普段使用している洗顔料や石鹸、ボディソープなどで落とせる範囲のものが安心です。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、アトピー肌の方の日焼け止めの選び方や注意点について、ご紹介しました。
アトピー肌の方にとって肌につけるものは慎重に選ぶ必要がありますが、肌に優しいものもあるため十分日焼け止めを使うことができます。
むしろ、日焼け止めを使用せずUVケアを全く行わなかった場合、肌がさらに荒れたりする可能性もあります。
そして、アトピーの方には、ノンケミカルの日焼け止めがおすすめで、こまめに塗り直すことや、しっかり落とすこと、保湿を行うことで日焼け対策をとることができます。
ただ、今回ご紹介した方法がすべての人に当てはまるわけではないため、気になる方は皮膚科で相談してみることをおすすめします。