オロナインは日焼けに効果がある?その真相を徹底解明
2018.10.15
オロナインH軟膏といえば、誰でも知っている国民的軟膏として親しまれていますよね。
オロナインをとりあえず家に置いておくと安心…。
ケガしたらオロナイン塗っとけば治りそう!?
と思い多くの人が子どもの頃から使ってきたと思います。
常備しておく軟膏の定番であるオロナインは、現在でもSNSやインターネット記事などで様々な活用法が話題となり多くの人に拡散されています。
そんな中、オロナインは日焼けにもおすすめ!
と書かれた記事も目にしますが、本当なのでしょうか?
今回は、オロナインH軟膏の使い方や日焼けについて解説します。
オロナインH軟膏ってどんなもの?
オロナインは何にでも使えると思われていることが多いため、その効能効果をしらない人は意外と多いと思います。
オロナインH軟膏は、大塚製薬によって1953年から販売されている軟膏です。
切り傷やすり傷、しもやけ、ひび、軽いやけど、ニキビ、水虫などにきくとされ、ステロイドを使っていないため多くのかたが使ってきたようです。
代表的な有効成分はクロルヘキシジングルコン酸塩酸で、消毒・殺菌効果があるとされています。
その他には、皮膚を保護するステアリルアルコール、保湿成分のサラシミツロウやオリブ油、グリセリン、ワセリンなどが入っています。
ただ、使用上の注意として湿疹や虫刺されや化粧下には使わないことと記載があります。
実際のところ、皮膚トラブルがおきたらとりあえずオロナインという訳ではなかったようですね。
また、深い傷や広範囲にわたるものなども適していないため注意が必要です。
オロナインにまつわる気になるウワサ
オロナインの活用法について、様々な意見がインターネット記事やSNSにあがっています。
実際にはどんなウワサや美容法があるのでしょうか。
まず、オロナインを塗るとシミが消えるという説です。
それから、日焼け後のアフターケアに用いることでかゆみがひいたり、日焼けがよくなる説です。
また、スキンケアに効果的という意見もあります。
スキンケアとしては、鼻パックの前に塗っておくと毛穴の汚れがきれいに落ちる、乾燥肌の保湿に良い、などの説があります。
これらのウワサは実際に本当なのでしょうか。
日焼け後のアフターケアにオロナインは使える?
オロナインに関する活用法の中でも多く紹介されているのが、日焼け後のアフターケアに関することです。
日焼け後にオロナインを塗ることで、日焼けの症状がよくなると紹介されています。
オロナインが実際に日焼けを治すのか知るには、まずは日焼けについて知ることが大切です。
日焼けは軽い肌のやけど!
オロナインを塗りたくなるような日焼けの症状と言えば、紫外線を浴びた肌が赤くヒリヒリした状態になったり、ほてったり、皮がめくれたり、かゆくなったり、水膨れができたりする状態です。
こういった状態になるのは、紫外線B波(UVB)による日焼けが原因です。
UVBが最も多くなるのは夏で、レジャーや外出の時に一気に日焼けしてしまう強いパワーが特徴です。
日焼けで皮膚が真っ赤になってしまうのは、紫外線を浴びることで分泌されるタンパク質の一つ、プロスタグランディンEが関わります。
プロスタグランディンEが作られて肌の真皮に届くと、血管を広げるため血流が増加し、肌が真っ赤な状態になります。
そして、痛みを感じる神経を敏感にさせるためヒリヒリ感を感じる原因にもつながります。
UVBによる日焼けは皮膚表面の組織が炎症を起こしている状態になり、軽いやけど状態にあると表現されています。
この日焼けはサンバーンや日光皮膚炎とも呼ばれています。
日焼けの程度によっては、軽視できるものばかりではなく、ひどい場合は水膨れになったり、ヒリヒリ感やほてりがひかず眠れないほど辛い思いをすることもあります。
こうした場合には、できるだけ早いタイミングで皮膚科への受診が必要となります。
サンバーンは紫外線を浴びてから4~5時間くらいで肌が赤くなりはじめ、ピークを迎えるのは24時間後頃と言われています。
ヒリヒリ感がある場合、2~3日は続くのが一般的ですが、日焼けの程度により異なります。
サンバーンには、特に色白な肌の場合や肌が弱い場合にはひどくなりやすいといった特徴があります。
日焼けにオロナインを塗ると治る?
オロナインが日焼けを治すのに効果的かどうか見ていきましょう。
日焼けが治るというウワサは、具体的には日焼けによる赤みが消える、ヒリヒリ感が消える、かゆみが消えるといった効果について紹介されているものが多いです。
オロナインが日焼けに効果的と言われるのは、ネット上の記事ではオロナインに軽いやけどに効能があるためのようです。
サンバーンは軽いやけど状態のため、オロナインがきくということにつながっているようです。
オロナインの有効成分であるクロルヘキシジングルコン酸塩酸は消毒・殺菌作用があるため、日焼けでむけた皮膚の化膿感染予防にはなると思います。
そして、オロナインには痒みを抑える成分は入っていないので、日焼けによる痒みを抑える働きもありません。
オロナインはどんな皮膚トラブルにも使えると思っていたというかたは多いのではないでしょうか。
効能効果にあわせて正しく使いましょう。
日焼けしたらどうする!?
日焼けしたらどんな対処法が良いのでしょうか。
サンバーンを起こした後の対処法の原則は、冷やす、保湿、さらなる日焼けを予防する、の3つです。
サンバーンを起こしている肌は、やけどしているのと同じ状態ですから、まずは冷やすことが大切です。
冷たいタオルや保冷剤を巻いたタオルで冷やして、できるだけ炎症を抑えることを意識しましょう。
赤みやヒリヒリ感が1日でとれない場合は、次の日やその次の日にも、空き時間に定期的に冷やしましょう。
日焼け後の肌はとてもデリケートです。
長時間冷やし続けたり、保冷剤などの冷たいものを直に当てるのはやめましょう。
冷やしたら、保湿も大切です。
ヒリヒリ感がある時には、何も塗らない方がいいのではと思うかもしれませんが、日焼けした肌はいつもより多くの水分を必要とし、炎症により蒸発しやすいため、注意が必要です。
ヒリヒリしている肌に刺激の多い基礎化粧品は使えないため、美白効果やアンチエイジンング効果などをうたっている美容成分たっぷりの基礎化粧品は避けた方がよい場合があります。
低刺激な化粧水などをたっぷりと使って、しっかり水分を補うことが大切です。
ヒリヒリ感がない場合や落ち着いた場合は、美容成分がたっぷり含まれた基礎化粧品を使うことができます。
肌の状態が落ち着いたタイミングで切り替えましょう。
そして、さらに日焼けしないことも重要です。
日焼けした肌はダメージを受けているぶん、日焼けしやすい状態になっています。
日陰に入るなど日焼けする場を離れたり、日焼け止めでさらに日焼けしないことに注意が必要です。
最近では、お湯で落とせるタイプの日焼け止めも多く販売されています。
日焼け後の肌には軽く落とせるタイプの日焼け止めを使用し、こまめに塗り直しながら対策しましょう。
保湿にオロナインは使える?
インターネット記事やSNSでは、オロナインが保湿アイテムとして優秀だと紹介されているものもあります。
水と合わせてオロナインを使うことで、肌に伸びやすくおすすめだと言われています。
例えば、片方の手にオロナイン、もう片方の手は水で濡らして合わせ、オロナインを乳化してクリームのよう使用する方法なんかが紹介されていました。
お風呂上がりに身体を拭かず、そのままオロナインを塗ると適度に水分と合わさって伸びやすいと紹介されているものもあります。
化粧水や精製水と混ぜて使用することを、オロナイン水や水溶きオロナインと呼ばれているようです。
しかし、オロナインの使用上の注意として化粧下には使用できないと記載されているので自己責任で試されるのは良いと思います。
ひどい日焼けの場合
ヒリヒリ感がとれない、ほてって眠れない、水膨れができた…など、症状が重い場合は躊躇せずに皮膚科へ受診し適切な措置をとりましょう。
もちろん、日焼けをしないように普段から注意することも大切です。
最近では、様々なタイプの日焼け止めが販売されています。
塗るタイプの日焼け止めは種類も多く手軽に取り入れられますが、飲むタイプの日焼け止めにも注目が集まってきています。
飲む日焼け止めは、紫外線を浴びたあとの肌が受けるダメージを減らすもので、飲まない時よりもサンバーンとして現れる症状を軽くすることが期待されています。
紫外線自体をブロックするのではなく、ダメージを軽減するためのものなので、日焼けしないというわけではありません。
塗るタイプの日焼け止めと併用して使うと便利です。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、オロナインが日焼け後のケアによいのかどうかを解説しました。
オロナインはとても身近なアイテムですが、きちんと効能や使い方の注意点を確認し使用することが大切です。