冬は雪で日焼けする!なめてはいけない雪焼けの怖さとは

2019.01.07

冬 日焼け

「真冬なのに、どうして日焼けをしてしまうの…?」と疑問を抱く人は多いのではないでしょうか。

太陽が低くなって日差しが柔らかい真冬では、太陽光線に含まれる紫外線の量も少なくなると言われているにも係らず、真冬に日焼けが起きる原因を究明します。

雪による日焼け「雪焼け」はどうして起きるの?

雪焼け
「雪焼け」とは、雪に反射した太陽光線によって皮膚が焼ける(日焼けする)ことです。

雪焼けの場合、空から照りつける直射日光と、雪面で反射して返ってくる太陽光線の挟み撃ちとなるので、体に浴びる紫外線もさまざまな方向から大量に受けることになります。だから、普段の生活で受ける日焼けよりも、雪焼けによる日焼けの方が、体に与える影響が強力になってしまいます。

ゲレンデではビーチ以上に日焼けするって本当?

ゲレンデ
私たちの日常の生活においても、太陽から直接届く直射日光以外に、路面のアスファルト、建物のコンクリート、芝生などの植物から反射した太陽光線を浴びています。

ですが、これらの対象物からの太陽光線の反射率はほんの数%と言われています。

一方、雪山やスキー場のゲレンデの雪面では、太陽光線の反射率が80%~90%に及ぶと言われており、このため雪焼けの方が、普通の日焼けよりも皮膚が浴びる紫外線の量が多くなり、日焼けをしやすくなります。

雪焼けによる日焼けの場合、体が受ける紫外線の量から、真夏のビーチでの日焼けよりも日焼け跡が残りやすいと言われており、注意を怠ってはいけません!

雪焼けと日焼けは何が違うの?

太陽光
では、雪焼けと日焼けでは、皮膚の焼け方やその影響に違いがあるのでしょうか?

まず、日焼けの原因となる紫外線について、詳しく調べてみましょう。

紫外線とは、目に見えない電磁波の一つで、英語ではUltravioletと呼ばれるため、一般的にはこれを略してUVとして通用しています。

紫外線はその波長の長さからA波(UVA)、B波(UVB)、C波(UVC)の3種類ありますが、上空から地上までの間にあるオゾン層や大気中の物質により吸収され、UVCについては地上に届かなくなり、UVAとUVBが弱くなりながらも地上に到着します。

こうして地上に届いた紫外線のうち、UVAはサンタンを、UVBがサンバーンを引き起こすと言われています。

雪焼けも、普通の日焼けも、発生するメカニズムは同じです。

紫外線を体に浴びることで、サンタンまたはサンバーンが発生して、皮膚を褐色または黒色に変色させます。

ですが、普通の日焼けよりも雪焼けの方が日焼けの跡が残りやすいと言われているのは、雪焼けの方が紫外線の影響を強く受けているということに他なりません。

その理由は、一面の銀世界に包まれる雪山やスキー場は、地上から数千メートルも高い場所にあり、大気中で紫外線が吸収される量が少なくなり、雪面に到達する紫外線が強くなってしまうことにあります。

つまり、雪山やスキー場での雪焼けでは、地上よりも多くの紫外線を受けるため、普通の日焼けよりも皮膚が受けるダメージが大きくなってしまうのです。

このため、通常の日焼けよりも、雪焼けの方が、紫外線を過剰に浴びて大量にメラニンが生成され、シミができやすくなり、ソバカスも黒く目立ちやすくなってしまいます。

さらに、皮膚内部に到達した紫外線が、コラーゲンやヒアルロン酸といった保水系のタンパク質を変性させ、皮膚組織の真皮が水分を失って緩むことから、皮膚の表面にシワやタルミが表れやすくなってしまうのです。

このように、雪明けによる紫外線の影響は、普通の日焼けよりも恐ろしいのです!

雪による日焼け対策

雪化粧
雪焼けの予防対策としては、普通の日焼けの予防とあまり変わることはありません。

ですが、地上よりも大量に、さまざまな角度から、紫外線を浴びることになるので、普段の日焼け対策よりも、しっかりとした日焼けの予防対策を行う必要があります。

紫外線からお肌を守る「日焼け止めクリーム」

まずは、体に浴びた紫外線からお肌を守る「日焼け止めクリーム」で予防しましょう。

雪山では、地上に居るときよりも強い紫外線を受けますので、日常で使用する普通の日焼け用のものよりも、UVカットが強いものを使用した方がしっかりと予防対策できます。

また、スキーやスノーボードなどウィンタースポーツの場面で使用するときは、雪や汗で肌が濡れてくる可能性があるので、水に強く落ちにくいタイプのものがオススメになります。

紫外線をお肌に浴びないグッズの利用

次に、紫外線を直接お肌に浴びないための対策も大切です。

これには、「フェイスマスク」、「ゴーグル」、「ネックウォーマー」などのグッズを着用して肌を露出しないようにして、紫外線を直接お肌に浴びないようにすることが雪焼け予防として効果的になります。

スキーやスノーボードなど雪山で行うウィンタースポーツでは、雪面で太陽光線が反射して、あらゆる方向から紫外線を受けることになります。

ですから、頭、鼻、耳、頬、首筋など普段の生活では露出されている部分もしっかりとカバーして、雪焼け防止に万全を期するようにしましょう。

最も効果的な雪焼け対策

お肌に対する予防対策として、UVカット率の高い日焼け止めクリームを塗っていたとしても100%紫外線を防げる訳ではありません。

ましてや、太陽光線の反射率が高い雪面においてはなおさらです。

ですから、日焼け止めクリームだけで安心せず、フェイスマスクやゴーグルなどでお肌に太陽光線を受けない対策も同時に行い、しっかりとお肌をガードすることをオススメします。

ハリと弾力のあるお肌はどうやって作られるか

お肌をいつまでもキレイにみずみずしく保つためには、新陳代謝が良好に進行していることが重要です。

まず、表皮(皮膚構造の一番外側の部分)では、皮膚細胞の細胞分裂によって、表皮の奥の方で新しい皮膚が作られ、これにより古くなった皮膚が表面に押し上げられて、皮膚の表面から垢(アカ)となって剥がれ落ちるというサイクルを繰り返しています。

このサイクルに合わせて、紫外線を吸収したメラニンも古い皮膚と一緒に体外に排出されていくのです。

また、真皮(皮膚構造の中央の部分)では、コラーゲンやヒアルロン酸といった成分が蓄えられており、この真皮が正常な状態にあることで、お肌がみずみずしさと潤いを保ち、ハリと弾力のあるお肌になるのです。

新陳代謝が良ければ、表皮における再生のサイクルが健全に維持され、また、真皮のみずみずしさと潤いが保たれ、いつまでもハリと弾力のあるお肌が再生されていきます。

新陳代謝が鈍くなるとお肌はどうなる?

新陳代謝とは、新しい細胞が作られて古い細胞と入れ変わるメカニズムのことなのですが、実は、この新陳代謝は、血行と深く関係しているのです。

血行が良ければ、血液にのって栄養や酸素が身体のすみずみまで行きわたりやすくなり、新しい細胞を作りだすのに必要な栄養が細胞に届けられ、新陳代謝も活発になります。

ですが、冬になり、気温が低下して寒くなると、身体はできるだけ内臓や脳など体の内部の体温を保とうとして、手足などの血管を収縮させて血流を低下させ、熱が体外へ逃げないように血流を調整します。

これにより血管が収縮する部分(主に体の表面)は、血流が悪化して栄養の運搬もスムーズにいかなくなるので新陳代謝も悪くなってしまうのです。

こうした理由から、冬場は新陳代謝が鈍くなりやすく、表皮における皮膚再生のサイクルも遅くなり、真皮のみずみずしさと潤いが失われやすくなってしま
うのです。

表皮における再生のサイクルが滞ると、メラニンが体外に排出されずに皮膚内部に残留して定着(色素沈着)し、そして「シミ」になってしまいます。

また、真皮のみずみずしさと潤いが保たれなくなってハリと弾力が失われると、「シワ」や「タルミ」が表れやすくなってしまうのです。

つまり、新陳代謝が鈍くなると、キレイで健康なお肌が維持できなくなるということなのです。

このように、新陳代謝が落ちやすい冬だからこそ、真夏と同じ日焼け対策が必要なのです!

まとめ

雪焼け対策についてのポイントは次のとおりです。

・冬は新陳代謝が鈍くなるため、紫外線が少ない冬場も日焼け対策を欠かせないこと
・地上よりも高地にある雪山は、紫外線量が地上よりも多く降り注ぎ、また、雪面の反射もあって、上からも下からも紫外線を浴びてしまうこと
・雪焼けによる日焼けは、真夏のビーチでの日焼けよりも日焼け跡が残りやすく、油断禁物であること
・雪焼け予防対策として、日焼け止めクリームに加えて、フェイスマスクやゴーグルなどのグッズの併用で、しっかりとお肌をガードするのが最も効果的

皆さまも、雪焼けによるお肌へのダメージを防ぐ雪焼け対策を施して、ウィンタースポーツを存分に楽しみましょう!