飲む日焼け止めはなぜ効くの?効果の原理をわかりやすく解説
2018.06.27
美白の対策に使われている日焼け止めの成分には、紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の2種類があります。
それぞれの働きや肌への影響を知り、状況に合わせて成分を選べたら良いですよね。
今回は、日焼け止めの製品に含まれている紫外線散乱剤と紫外線吸収剤について解説します。
まずは塗る日焼け止めの原理とは?
まずは、日焼け止めがどのような原理で私たちの皮膚に作用して、紫外線から守ってくれているのか説明します。
塗る日焼け止めには、紫外線散乱剤と紫外線吸収剤が主に使われていて、両方配合されているものや片方のみのものなどがあります。
それぞれの働きを知ると、日焼け止めのメカニズムがわかってきます。
紫外線散乱剤の働き
肌に浴びた紫外線を散乱させ、反射させることにより、ブロックする働きをしてくれます。
日焼け止めを塗って、散乱剤が肌を覆う時、肌表面で紫外線を跳ね返して皮膚を通さないように保護してくれるのです。
紫外線のuvaもuvbも両方跳ね返してくれます。
そして、化学変化を起こさないために構造が壊れず効果も長持ちし、低刺激であるというメリットがあります。
ですが、白浮きし、塗る時もなめらかではなくベタつきがあるというデメリットがある成分です。
紫外線吸収剤の働き
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収して熱などのエネルギーに変える働きをします。
つまり、肌の表面で化学変化を起こして、紫外線が肌の中に通って行かないようにしています。
これは、使われる成分によりuvaとuvbのどちらか一方だけを吸収するもの、両方吸収してくれるものの違いが出てきます。
紫外線を防ぐ力は散乱剤よりも強いため、SPF値が高い日焼け止めのほとんどこの紫外線吸収剤が添加されています。
白浮きすることがなく、塗る際もなめらかで滑りが良いというメリットがあります。
ただし、強力な分、肌への負担が大きく、肌への刺激を感じる人もいます。
また、化学変化を起こす構造のため、効果が長持ちせずこまめに塗りなおさなければならないというデメリットがあります。
日焼け止めの紫外線散乱剤の成分一覧
紫外線散乱剤にはどのような成分が使われているのでしょうか?
商品を購入する際に、この成分をチェックしておけば、紫外線散乱剤が使われているかどうかが分かります。
以下の2つの成分が代表的です。
酸化亜鉛
白色の粉末で、白色顔料としてファンデーションやおしろいなどにも使われている成分です。
最近はナノ化した酸化亜鉛も見いだされ、白浮きが少なくなるように工夫されています。
皮膚刺激の少ない成分とも言われています。
酸化チタン
酸化亜鉛とともに紫外線散乱剤に使われていることが多いのが酸化チタンです。
これは、酸化亜鉛に比べて反射率、カバー力、安全性が高いとされています。
こちらも日焼け止め以外にも、ファンデーションや化粧下地、様々なコスメに使われている成分です。
日焼け止めの紫外線吸収剤の成分一覧
続いて紫外線吸収剤にはどのような成分が使われているかを見ていきましょう。
様々なものがありますが、ここでは代表的な以下の3つを取り上げます。
uvaを吸収するt‐ブチルメトキシジベンゾイルメタン
1年を通じて一定量浴びるuvaを吸収するのに優れている成分です。
油溶性のためべたつきますが、カプセル化の技術により軽減されてきています。
肌への刺激は少ないとされていますが、光アレルギーを起こす可能性もあり、中には湿疹を生じさせることもあるかもしれません。
他の成分と併用して使われます。
uvbを吸収するメトキシケイヒ酸エチルヘキシル
主にuvbを吸収してくれる粘り気のある液体で、少し匂いにも特徴があります。
油に溶け、水に溶けない成分で、日本で一番紫外線吸収剤に使われている成分のようです。
これも他の成分と併用して用いられています。
uvaとuvbを吸収するオキシベンゾン3
もう1つよく使われている紫外線吸収剤がオキシベンゾン3です。
こちらはuvaとuvbの両方を吸収する働きがあり、高SPF値の商品によく使われています。
まれに光アレルギーを引き起こすこともあるので、肌が弱い人は注意が必要になるかもしれません。
日焼け止めが肌に与える害はある?
日焼け止めに使われている紫外線散乱剤と紫外線吸収剤、それぞれの働きについて見てきましたが、肌にはどのような影響を与えるのでしょうか?
紫外線吸収剤は肌に負担をかけるから使わない方が良いの?
紫外線吸収剤の説明の部分で扱ったように、紫外線をしっかりとカットしてくれますが、皮膚の上で化学反応を起こすため、肌に負担をかけるのも事実です。
また、刺激を感じたり炎症などの症状が出てしまう人もいます。
ですが、人によっては、紫外線散乱剤のみの日焼け止めを使っても、肌への負担を感じ、肌荒れを起こす人もいます。
そのため、個々の人によって、肌の状態や強さが異なるため、一概には答えを出しきれないのも事実です。
上手に使い分ける
自分の肌質によって紫外線散乱剤だけのものを使うか、紫外線吸収剤と両方使われているものを使うかを決めるようにしましょう。
また、普段の外出程度ならば、紫外線散乱剤入りだけのものを使うのも良いと思います。
そして、海など紫外線を強く長時間浴びる場合は、紫外線吸収剤入りの日焼け止めを使って、紫外線から肌を守るという方法もあります。
臨機応変に使い分け、日常的に紫外線吸収剤入りを使うことを避けるようにすることで、肌への負担を減らすことができるかもしれません。
もし敏感肌でいつも日焼け止めを使うと肌荒れを起こすという人は、成分をチェックして肌にやさしい成分が使われているものに変更するようにしましょう。
塗る日焼け止めのデメリットを解消するには?
日焼け止めの肌への負担を考えできるだけ使いたくないけれど、紫外線対策はしっかりと行ってシミやシワ、肌の老化は招きたくないというあなた。
そのような人におすすめしたいのが、飲むタイプの日焼け止めを活用する方法です。
飲む日焼け止めとはどのような仕組みになっているのか簡単に説明していきます。
飲む日焼け止めを併用しよう!
近年ブログやサイトなどで注目されて人気がある飲む日焼け止めとは、サプリメントのことです。
塗る日焼け止めは、紫外線が肌の中に入らないようにブロックするものです。
飲む日焼け止めは、摂取することで浴びてしまった紫外線が肌へ悪影響を与えないように抑制するものです。
抗酸化作用があり、活性酸素を除去し紫外線によるシミやしわ、たるみ、日焼けなどを防いでくれる働きをします。
毎日飲み続けるものや、即効性があるものなどが販売されているので、ぜひ活用してみてください。
また、飲む日焼け止めを使えば、一切日焼けしないというわけではありません。
紫外線散乱剤入りの日焼け止めを使いながら、飲む日焼け止めを併用すると紫外線によるダメージを最大限カットしましょう。
肌への負担を軽くすることができるので、肌が弱い人にもおすすめの方法です。
飲む・塗る日焼け止めについてのまとめ
塗る日焼け止めに含まれている紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の違いについて見てきました。
紫外線をブロックしたいと何気なく毎日使っている日焼け止め。
高SPF値ならしっかり肌をガードしてくれるだろうと成分をみずに使っていると、肌への負担が大きくなっているかもしれません。
飲む日焼け止めと塗る日焼け止めを併用することで、より効果的に使えます。
含まれている成分や副作用を確認して、肌への負担を軽減し紫外線から肌を守る方法を実践していくように心がけたいですね!