アスタキサンチンの効果とは?その日焼けとの関係と上手な摂取方法

2019.01.24

icatch アスタキンチン

アスタキサンチンって何ですか?

アスタキサンチンとは、ニンジンに含まれるβ-カロテンや、トマトのリコピンなどと同じカロテノイドの一種で、エビ、カニ、鯛、鮭、一部の海草など海に生息する“赤い生物”がもっている赤色の色素のことです。

私たちの体になくてはならない栄養素として、「タンパク質」・「脂質」・「糖質」・「ビタミン」・「ミネラル」・「食物繊維」の6つが必須と言われており、これを「六大栄養素」と呼んでいます。

そして、新たに「第七番目の栄養素」として注目されてきたのが「カロテノイド」と呼ばれる色素です。

カロテノイドは、強い抗酸化作用があり、目や皮膚を紫外線から保護し、活性酸素を除去してくれるものと期待されており、アスタキサンチンは、カロテノイドの中でも活性酸素を除去する力が抜きんでていると言われています。

アスタキサンチンの効果ってどんなもの?

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このアスタキサンチンには、どんな効果があるのでしょうか?

アスタキサンチンを大量にもっていると言われる鮭を例にして、その効果をご紹介します。

鮭は、川の上流で生まれ、海に移動して広大な大海原を泳ぎ回り、そして生まれ故郷の川を遡って産卵し、その生涯を終える回遊魚です。

川から海、そしてまた川へと、広大なエリアを回遊し、激流を遡った末に産卵するということは、常に危険と隣り合わせの大変厳しい環境を生き続けるということであり、日々ストレスと格闘しながら生息しているのです。

鮭は、生まれた時は白身なのですが、このようなタフな環境を生き抜き、強烈なストレスに打ち勝つため、アスタキサンチンをその肉体に貯め込み、身が赤くなっているのです。

そして、親からアスタキサンチンを受け継いだ卵は、強い紫外線にさらされる浅瀬で生まれ育ちますが、このアスタキサンチンのお陰で紫外線のダメージからわが身を守ることができるのだそうです。

このように、アスタキサンチンは、紫外線などから身体を守るための因子として機能していると考えられており、この機能を活用することで、私たちの目や皮膚を紫外線から保護する役割が期待されています。

さらに、アスタキサンチンには、お肌に有害な影響を及ぼす活性酸素を除去する力があり、アンチエイジングをサポートしてくれるものとして多くの女性たちの期待を集めているのです。

アスタキサンチンの「抗酸化力」は何に役立つの?

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アスタキサンチンは優れた「抗酸化力」を持つことで知られています。

その強さは、β-カロテンの5倍、CoQ10の800倍、ビタミンEの1000倍、ビタミンCの6000倍と言われ、この優れた抗酸化力こそがアスタキサンチンの最大の特徴なのです。

この「抗酸化力」とはどういうものなのかを理解する前に、「酸化」という作用について確認しておきましょう。

酸化とは、金属がさびたり、油が劣化して黒くなったりといった、日常生活で普通に起きている現象で、物質が空気中の酸素と結びついて起こる反応であり、物質の外見だけではなく性質そのものにも大きな変化を起こしてしまうものです。

呼吸や食事によって体内に摂り入れられた酸素と栄養素は、細胞内でエネルギーに変換され、様々な生命活動に使われているのですが、その過程で、一部の酸素が物質を酸化する力の非常に強い「活性酸素」に変化してしまいます。

この活性酸素は、体内に侵入した病原菌などの異物をその強い酸化力で退治する役割を持ち、本来は人間が生きていく上で必要なものなのです。

ですが、活性酸素が過剰に発生すると、正常な細胞や血管を傷つけ、体の内側を酸化(=サビる)させて動脈硬化などを引き起こし、生活習慣病などさまざまな病気を引き起こす要因になるのです。

そして、活性酸素が過剰に発生するのを阻止し、体の内部を正常な状態に戻そうとする働きが「抗酸化作用」であり、この作用の強さが「抗酸化力」なのです。

本来、私たちの体内には活性酸素を無毒化する抗酸化力が備わっており、これにより活性酸素を除去しているので、通常の状態であれば問題はありません。

ですが、加齢による抗酸化力の衰えや、多量の紫外線を体に浴びたり、暴飲暴食・喫煙・精神的ストレスで体と心のバランスがおかしくなったりすると、この「活性酸素」が非常に多く発生して、体内の抗酸化力だけでは抑えきれなくなってしまいます。

このような場合に備え、私たちは日頃から抗酸化力の強い成分を積極的に体内に摂り入れて、活性酸素の過剰な発生を食い止めていく必要があるのです。

アスタキサンチンの日焼けへの効果

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アスタキサンチンは、紫外線を浴びた時にできる活性酸素の除去力が強力で、ビタミンCの6000倍、ビタミンEの100倍以上の効果があります。

ビタミンCにはメラニン生成の抑制効果がありますが、アスタキサンチンは、その効果もビタミンC以上と言われています。

さらに、抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫力を高める効果もあって、日焼けによる炎症を軽減してくれる働きがあり、また、細胞の保水力や肌の皮脂量を正常に保つ効果もあることから、日頃からアスタキサンチンを体内に摂り入れていけば、お肌のダメージを受けにくい体質作りに役立つと考えられています。

このアスタキサンチンが、美容の観点から注目されるようになったのは、活性酸素の大部分を表皮で除去してくれるという特徴があるからです。

私たちの肌は、「表皮」・「真皮」・「皮下組織」という三層構造でできています。

表皮とは、皮膚の表面にあるところで、ケラチノサイト(表皮細胞)やメラニンを生成するメラノサイトなどで構成され、外部からの刺激から皮膚を守る役割を果たします。

真皮とは、表皮の内側にあって、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの高分子系保水成分を含み、水分をたっぷり含んだスポンジのように皮膚にハリと弾力を与え、お肌そのものを支える重要な働きをしています。

子どものようなハリと弾力のあるお肌を保つためには、この真皮が健康な状態に保たれていることが大切なのです。

皮下組織とは、表面から見て一番奥側にあり、大部分が脂肪で構成され、体温の発散を防いで体を温かく保つとともに、衝撃から身体内部を守る役割を担っています。

活性酸素が真皮に侵入して、さまざまな保水成分や細胞を破壊してしまうと、皮膚のハリと弾力が失われてしまうことになります。

ですから、表皮で活性酸素を除去して、真皮への進入を防いでくれるアスタキサンチンの抗酸化力は、いつまでもお肌をキレイでみずみずしくしていくために必要とされ、アンチエイジング対策としても欠かせない存在として注目を浴びているのです。

アスタキサンチンを上手に摂取する方法

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アスタキサンチンを体内に摂り入れて、体の抗酸化力を高めると、目や皮膚を紫外線から保護することができ、また血行をよくして新陳代謝を高める作用や、老化による視力低下の防止、抗がん作用の向上も期待できるようになります。

ですから、アスタキサンチンを積極的に体に摂り入れていくことはとても大切です。

こちらでは、アスタキンサンチンを上手に摂り入れる方法をご紹介しましょう。

食品からアスタキサンチンをとる

まず、食品から摂る方法としては、魚から摂るのがオススメです。

魚には、コレステロール値を下げるDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が多く含まれており、アスタキンサンチン以外にも健康に良いさまざまな効果を期待することができます。

アスタキサンチンが多く含まれている魚には、身が赤い鮭のほかに、真鯛、金目鯛、キンキといった皮の赤い魚があります。

ですから、身の部分だけではなく、皮も全部食べるようにしてください。

アスタキサンチンの十分な効果を得るためには、1日に6mgの摂取が必要と言われています。

これは、鮭の切り身で2~3切れ、イクラでは400g(イクラ丼4人分ほど)になる量だそうで、6㎎のアスタキサンチンを食品から摂るのはかなり大変なことがわかりますね…。

サプリメントからアスタキサンチンをとる

十分な量のアスタキサンチンを食事だけから摂取するのが大変難しいことがわかりました。

最近の研究では、毎日12㎎以上のアスタキサンチンを摂ることで、その効果がより体感しやすいという結果もあり、食事からの摂取でその効果を期待するのは現実的ではないでしょう。

そこで、アスタキサンチンの摂取を助けてくれる頼もしい存在がサプリメントです。

現在、アスタキサンチンを摂り入れたサプリメントはたくさん製品化されております。

その多くが、エビやカニ(甲殻類)や鮭、鯛などの魚から抽出したものではなく、ヘマトコックス藻という海藻から抽出しているものになります。

その理由は、アスタキサンチンを魚やエビ・カニなどの甲殻類から抽出する場合、そもそも抽出すること自体が技術的にも難しく、仮に抽出できても、サプリメントを作るのに必要な量が確保できないか、確保できても非常に高価なものになってしまうからです。

このため、研究が進み、ヘマトコックス藻からアスタキサンチンを抽出する方法が開発され、今では、ほとんどのサプリメントの原料として利用されるようになったのです。

このおかげで、甲殻類アレルギーのある人も安心して摂取することができるのですね。

ここでオススメなサプリメントをご紹介しておきます。

・DHC「アスタキサンチン」
DHCアスタキサンチン
出典 : https://www.dhc.co.jp/goods/goodsdetail.jsp?gCode=32431

通販化粧品・健康食品最大手DHCが提供する、その名もズバリのこのサプリメントは、アスタキサンチンを高濃度に詰め込んだソフトカプセルです。

ヘマトコッカス藻から抽出したアスタキサンチンを1粒に9mgも含有、1日1粒の服用で、食事だけでは摂りきれないアスタキサンチンの摂取を助けてくれるサプリメントなのです。

30日分で1200円ほどのお手頃な価格もうれしいですね。

アスタキサンチンを活用した日焼け止め用品

アスタキサンチンの抗酸化力を活用して、紫外線の皮膚内部への浸透を防ぐことで日焼け止め効果を狙ったサプリメント・健康食品・基礎化粧品がたくさん販売されています。

そのうちの幾つかをご紹介しましょう。

・富士フィルム「アスタリフト」
アスタリフト
出典 : https://shop-healthcare.fujifilm.jp/sp/astaliftbrand/technology/

フィルム製造によって培った独自のナノテクノロジーを化粧品製造に活かして開発された化粧品ブランド「アスタリフト」シリーズ。

このアスタリフトシリーズにおいて、製品化が難しいとされたアスタキサンチンを配合した化粧水、美容液、乳液、化粧下地などのさまざまな基礎化粧品が提供されています。

・エルステッドインターナショナル株式会社「UV トータルクリア (UV TOTAL CLEAR)」
UVtotal
出典 : https://monipla.jp/oerstedinternational/etp_review_item/pdcd-uvtotarukurias/

“飲む日焼け止め”を謳い、アスタキサンチンのほか、活性酸素の発生を抑制すると期待されるニュートロックスサン、メラニンの生成自体を抑制すると言われるパインセラの三つのUV成分を配合し、そしてその配合量の多さを売りにしたサプリメントです。

アスタキサンチンについては、その効果が体感されやすいと言われる1粒当たり12mgも含有されています。

お値段は6,000円弱となりますが、太陽対策とダメージケアの両方を一つでまかなえるサプリメントとして人気の商品となっています。

このように、アスタキサンチンは、さまざまな化粧品、健康食品として流通していますので、自分にあった方法で、アスタキサンチンを日焼け防止対策として、アンチエイジング対策として活用してみてはいかがでしょう。

まとめ

話題のアスタキサンチンの日焼け防止効果の検証結果のポイントは以下のとおりです。

 アスタキサンチンは、強力な活性酸素の除去力が強く、抗炎症作用・抗アレルギー作用・免疫力を高める効果もあり、さらに細胞の保水力や肌の皮脂量を正常に保つ効果もあるため、お肌のダメージを受けにくい体質作りに役立つと考えられている。

 アスタキサンチンの抗酸化力は、活性酸素を表皮で除去して真皮への進入を防いでくれるため、お肌をキレイでみずみずしく保つことができ、アンチエイジング対策としても欠かせない存在。

 アスタキサンチンの十分な効果を得るには、1日6mgの摂取が必要と言われているが、この量を食事だけで摂取するのは難しく、サプリメントとの併用が効果的。

 アスタキサンチンの抗酸化力を活用した日焼け止め効果のある化粧品・健康食品がたくさん商品化されている。

皆さまも、日頃から上手にアスタキサンチンを摂り入れて、お肌のダメージを受けにくい体質を作り、幸せで充実した人生を送ってまいりましょう!