日焼けで鼻の皮が剥けそう!そんな時の対処法とは
2019.01.26
日焼けによるお肌へのダメージとは?
日焼けが私たちのお肌に与えるダメージにはどんなものがあるのでしょうか?
まずは、日焼けが発生するメカニズムをご紹介して、日焼けによるお肌のダメージについてご説明します。
「日焼け」はどうしてできるの?
そもそも日焼けは、どうしてできるのでしょうか?
日焼けは、日光(太陽光線)を過剰に浴びた時に、日光に含まれる紫外線が体内の「メラニン」の保護能力を超えた場合に発生する現象です。
メラニンとは、日光に含まれる紫外線を吸収することで人間の体を守る性質を持った色素で、体内にメラニンがたくさんあると日焼けしにくくなり、少ないと日焼けしやすくなります。
メラニンの量には個人差があり、また、肌の色によってもその量に違いがあり、肌が浅黒い人はメラニンが多く、色白の人はメラニンが少ないと言われています。
このため、私たち黄色人種よりも白色人種(白人)の方が日焼けをしやすいのだそうです。
「痛い日焼け」と「痛くない日焼け」があるって本当?
日焼けには、「痛い日焼け」と「痛くない日焼け」の二種類があります。
痛い日焼けは「サンバーン(sunburn)」による日焼け、痛くない日焼けは「サンタン(sun tanning)」による日焼けです。
サンバーンとは、紫外線を過剰に浴びたことで皮膚の内部が炎症を起こした症状で、日焼けの後、数時間で皮膚が赤くなり、6時間を過ぎたあたりから皮膚の痛みがひどくなります。
サンバーンは“肌のやけど”とも言われ、ひどい場合は、皮膚の表面に水泡ができ、発熱や皮膚の痛みが治まらなくなる「日光皮膚炎」になることもあります。
一方、サンタンとは、体内にある黒褐色または黒色の色素であるメラニンが、皮膚の表面に現れて肌が黒くなる現象です。
紫外線を浴びると、皮膚の中のメラノサイト(色素細胞)が活性化され、紫外線を吸収して紫外線による皮膚への影響を防ぐため、大量のメラニンが生成されます。
ここで大量に生成されたメラニンが、新陳代謝の進行によって皮膚の表面に現れて、表皮が黒くなる現象がサンタンです。
このように、同じ日焼けと言っても、その意味合いが全く違うのです!
知っているつもりでも実は知らない「お肌の知識」
日焼けの適切なケアをしていくうえで、まず、私たちのお肌について良く理解しておかなくてはなりません。
私たちの肌は、「表皮」・「真皮」・「皮下組織」という三層構造でできています。
表皮とは、皮膚の表面にあるところで、ケラチノサイト(表皮細胞)やメラニンを生成するメラノサイトなどで構成され、外部からの刺激から皮膚を守る役割を果たします。
真皮とは、皮膚の本体とも言われており、お肌そのものを支える重要な働きをしています。
真皮は、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの高分子系保水成分を含んでおり、水分をたっぷり含んだスポンジのように皮膚にハリと弾力を与えてくれます。
子どものようなハリと弾力のあるお肌を保つためには、この真皮が健康な状態に保たれていることが大切なのですが、実は真皮はダメージに弱く、回復するまでにかなりの時間がかかるというデリケートな存在なのです。
皮下組織とは、表面から見て一番奥側にあり、大部分が脂肪で構成されています。
ここに脂肪が蓄えられることで、体温の発散を防いで体を温かく保つとともに、衝撃から身体内部を守る役割を担っています。
実は、この皮膚の三層構造にとって、大敵なのが紫外線なのです!
本当にわかっていますか?「紫外線の恐怖」
日焼けとは、紫外線とメラニンの戦いです。
メラニンが紫外線に勝った状態(メラニンが紫外線を十分吸収できている状態)がサンタン、メラニンが紫外線に負けた状態(メラニンが紫外線を吸収しきれなくなった状態)がサンバーンになります。
紫外線は、目に見えない電磁波の一種で、殺菌効果が高く、人体に対しては血行や新陳代謝の促進、皮膚の抵抗力を高めるといった有用な作用を持っているのですが、その一方で、皮膚の中のたんぱく質に異常をもたらす負の作用も持っています。
もし、メラニンが紫外線に負け、紫外線が皮膚に入り込むとどうなるのでしょうか?
紫外線が表皮を通り抜けて、皮膚の内部に入り込むと、そこにある細胞のDNAを傷つけたり、体内のタンパク質を変性(タンパク質の立体構造が壊れること)させたりします。
その結果、新陳代謝が鈍くなり、真皮内部にあるタンパク質のコラーゲンやエラスチンが変性して弾力を失い、ヒアルロン酸も減少して真皮が水分を失って緩み、表皮にシワやタルミが表れやすい状態になるのです。
私たちの皮膚の内部では、紫外線を吸収したメラニンが、細胞の分裂で表皮の表面に押し上げられ、最後は表面から剥がれ落ちるというサイクルがほぼ28日周期で繰り返されています。
ですが、紫外線を過剰に浴びて大量にメラニンが生成されると、このサイクルが追いつかなくなり、メラニンが体の外に排出されにくくなって、メラニンが皮膚内に残って色素が沈着するという状態-シミ-になってしまうのです。
また、日焼けではなく遺伝的な要素で発生するというソバカスも、通常は成長とともに薄くなっていくのですが、紫外線でメラニンが過剰に生成されるとソバカスの色が濃くなり、成年した後もシバカスが残ってしまうことがあります。
さらに、細胞のDNAがダメージを受けて遺伝子が正常に機能しなくなると、細胞が突然変異してがん細胞になるリスクも高まると言われています。
このように、紫外線とは、お肌にさまざまな悪影響を与える本当に怖い存在なのです!
日焼けで皮が剥け始めた時の対処法とは?
日焼けをして皮が剥けると、ソーッと指でつまんで皮をはがしたくなりますよね。
その気持ち、よ~くわかります!
ですが、剥け始めた皮を無理にはがすのはタブーです!
ここでは、日焼けをして皮が剥け始めた時の対処法についてご説明します。
肌の再生機能「ターンオーバー」がお肌を守る!
日焼けをすると、どうして皮がむけるのでしょうか?
これは、「ターンオーバー」というお肌の再生機能であり、上述した28日周期で繰り返されるサイクルがターンオーバーなのです。
ターンオーバーは、日焼けをした時に現れる特別な現象ではなく、日常的に繰り返し行われているもので、古くなった皮膚は"垢(あか)“として体外に排出され、新しい皮膚の再生が図られているのです。
ただし、日焼けした後はダメージを受けた皮膚組織の再生が急速に進行するため、垢としてではなく皮そのものを剥がして再生を促しています。
剥け始めた皮を無理にはがし取ると、再生途中のデリケートな皮膚がむき出しとなり、外気や紫外線にさらされて炎症を起こしやすくなるため、剥がした後の肌が真っ赤になって強い傷みが走るのです。
だから、日焼け後に剥けはじめた皮は無理やり剥がさず、自然に落ちるのを待つのが一番です。
でも、日焼けをした肌には適切なケアも大切です。
なぜなら、日焼けで増えすぎたメラニンが、後々シミの元になったり、日焼け跡がお肌に残ったりしてしまうからです!
日焼け後の肌のケアと対処方法①―お肌を冷やす―
日焼け後のお肌のケアは時間との勝負と言われています。
それは、生成されたメラニンが皮膚に定着するのに、生成後72時間かかると言われており、この72時間以内の適切なケアが、肌の再生機能を高め、メラニンの定着を抑えるカギになるのです。
だから、日焼けをした直後のケアがとても大切なのですよ!
まず、日焼け後のケアとして最初にすべきは、日焼けをした肌を冷やすことです。
サンバーンが“肌のやけど”と言われているとおり、日焼けは肌がやけどした状態のため、日焼けした肌(患部)を冷やすことでやけどの進行を抑え、肌の痛みを抑えてくれます。
冷やし方は、冷たいシャワー、濡れタオル、保冷ジェル、あるいはローションなどを使って患部をしっかりと冷やすようにします。
氷や氷枕などを使うと患部を刺激しすぎて強い痛みを感じてしまうので、液体で冷やすのが良いでしょう。
日焼け後の肌のケアと対処方法②―お肌に保湿する―
患部であるお肌を十分に冷やしたら、その部分をしっかりと保湿します。
日焼けした後のお肌は、水分が乏しく、抵抗力も弱く、とてもデリケートで敏感な状態なので、刺激を抑えた保湿化粧水を使うようにしましょう。
日焼け後の肌のケアと対処方法③―体全体の水分を補給する―
日焼け後は、お肌だけではなく、体全体の水分も不足している状態です。
皮膚の真皮組織は、体内から水分を補充していきますので、身体全体に水分を十分に補給することは、ハリと弾力のあるお肌を取り戻すためにも大切なのです。
この場合、スポーツドリンクなど身体に浸透が早いもので水分補給するのが適切です。
日焼け後の肌のケアと対処方法④
日焼け後の肌のケアと対処法①~③は、やけどしたお肌の症状を和らげ、そしてお肌の再生機能を調えるための措置となります。
ここから、元通りのキレイなお肌にするためのケアを行っていきます。
まず、大切なお顔のケアです。
シミの発生やソバカスが目立つのを防ぐためには、美白美容液やホワイトニングマスクなどの美白効果の高い化粧品でしっかりケアを行いましょう。
日焼け後の肌のケアと対処方法⑤
次に、腕や足のケアです。
腕や足は、夏場に露出が増えますので、日焼け跡がとても目につきます。
お顔のケアと同様に、こちらも美白効果の高い化粧品を使って、しっかりとケアをお願いします。
日焼け後のデリケートなお肌には、とてもデリケートなケアが必要であることを忘れないようにしましょう!
鼻の頭の皮むけを隠す方法
顔や鼻の皮が剥けると、外出するのもイヤになってしまいます…。
ここでは、皮むけした箇所を隠すためのメイク法をご紹介します!
皮むけ箇所を隠すためのメイク法①―お肌の乾燥対策―
皮むけした後のお肌は、水分も潤いも足りない乾燥した状態のため、化粧のノリも悪くなっているので、まずは化粧のノリを良くするための下準備が必要です。
ここでオススメなのが、化粧水のお肌への浸透を助けてくれるアルガンオイルです。
アルガンオイルは、皮脂成分と非常に良く似ているためお肌への浸透が良く、お化粧前のブースターオイルとして推奨されています。
これにより、その後のお化粧のノリが良くなるのです。
皮むけ箇所を隠すためのメイク法②―基礎化粧―
アルガンオイルでお肌への浸透を良くした後は基礎化粧ですね。
ここでは、乳液や化粧水などでお肌の保湿と保水をしっかりと行ってください。
皮むけ箇所を隠すためのメイク法③―皮むけしたお肌の下地作り―
ファンデーションを塗る前に行っていただきたいのは、皮むけしたお肌の下地作りです。
乾燥した状態のお肌の表面は、どうしても滑らかさが欠けています。
これを補い、肌表面を滑らかにするのが、ワセリンです。
ワセリンを塗って適度な滑らかさを保たせることで、この後のファンデーションのノリが良くなります。
皮むけ箇所を隠すためのメイク法④―ファンデーションで皮むけを隠す―
最後にファンデーションを塗って、気になる箇所を隠しましょう。
それでも気になる場合は、コンシーラーを使ってください。
ファンデーションを塗った後はフェイスパウダーでメイク部分を調えて完成です。
まとめ
日焼けによるお肌へのダメージ、日焼け後の正しいケアのポイントは次のとおりです。
・日焼けは、お肌の天敵の紫外線を浴びるということ
・日焼けは、お肌にさまざまなダメージを与え、シミ、シワ、タルミを生み、ソバカスを目立たせること
・日焼け後のお肌は、やけどと同じ状態なので、適切なケアと対応がその後のお肌の再生には欠かせないこと
・皮むけしたお肌にメイクを施す時は、メイク前にお肌の乾燥対策が欠かせないこと
皆さまも、日焼けのことを正しく理解して、素敵に日焼けを楽しんで、明るく充実した毎日を送りましょう!