美肌の大敵!?メラニンについて
2018.08.25
シミやそばかすの原因として、嫌われているメラニン。
美白のためのアイテムでは、“メラニンの生成を抑える”など、のキャッチコピーがよく使われるため、美白を目指す人にメラニンが嫌われてしまっても仕方がないかもしれません。
ですが、メラニンが私達の身体を守る役割も果たしていることは、あまり知られていません。
今回は、メラニンの役割やシミ、そばかすを防ぐコツについてご紹介します!
メラニンって何?
メラニンとは、人間の皮膚や髪の中に含まれている色素のことです。
メラニンには2種類あって、ユーメラニンとフェオメラニンとがあって、この2種類のメラニンの量によって、肌の色や髪の毛の色、目の網膜の色が変わってきます。
メラニンと肌・髪の色との関係
2種類のメラニンの量によって肌や髪、目の網膜の色が変わることについて触れました。
それでは、具体的に肌や髪、目の色にメラニンがどう関わってくるのでしょうか。
ユーメラニンは、褐色~黒色をしたメラニンです。
そしてフェオメラニンは黄色~赤色をしたメラニンです。
この2種類の混合体のことをメラニンといい、メラニンの種類や量は人種や地域、個人により違いが生じます。
その他にも、年齢を重ねたり、病気になったり、精神面に影響があるなどの理由で、メラニンの量は変わることもあります。
こうして、一人ずつ違うユーメラニン、フェオメラニンの量の多さ・少なさで肌や髪、目の色などに違いがでてきています。
日本人に多いのは…?
髪の毛の色でその違いを見てみましょう。
金髪は、黄色のフェオメラニンによるもので、赤毛は赤のフェオメラニンとユーメラニンが影響しています。
日本人に多い黒髪は、ほとんどユーメラニンによるものです。
ユーメラニンとフェオメラニンには、色だけではなく、大きな違いがあります。
ユーメラニンは、紫外線を浴びることで発生する活性酸素を消して、肌を守ります。
一方で、フェオメラニンは、紫外線を浴びることで活性酸素を作り、皮膚ガンが起こりやすくなります。
肌が白い北欧地域の人々が皮膚ガンにかかりやすいのは、メラニンの種類が影響していると考えられています。
メラニンって悪者?
メラニンは、シミやそばかすのもとになると、嫌われていますよね。
しかし、メラニンがなぜできるのかを知ると、少し考え方が変わるかもしれません。
メラニンの役割
メラニンは、紫外線から肌を守るために作られます。
紫外線は肌に大きなダメージを与えますが、メラニンが吸収してくれることで皮膚ガンの発生を防いでいます。
厄介者だと嫌われているメラニンですが、実は肌を守るために作られていたのです。
ところが、浴びた紫外線が強すぎると、メラニンはたくさん発生して、シミやそばかすができやすくなってしまいます。
メラニンはどうやって作られるの?
メラニンは、紫外線を浴びることがきっかけで作られます。
紫外線を浴びると、まず活性酸素が作られます。
活性酸素は、疲労のもととも言われますが、身体の中に入った細菌から細胞を守る役割を果たしています。
しかし、活性酸素が増えすぎると、逆に肌の細胞にダメージを与えてしまう存在となります。
そこで、身体は肌の細胞を守るために、メラノサイトという色素を作り出す細胞に、“肌の色を濃くして守れ”と指令を出します。
そして、指令の結果、メラニンが作られて、黒色~褐色の色素が肌の表面に表れるようになります。
メラニンはお肌の細胞を守るためのものであって、活性酸素が過剰に作られなければ、メラニンが作られる機会も少なくなります。
ということは、活性酸素が過剰に作られる状況をできるだけ回避できれば、メラニンも抑えられる、ということになります。
紫外線から肌を守ることで活性酸素の発生を抑えられ、メラニンの生成を抑えることにつながります。
メラニンがシミやそばかすになるまで
メラニンは肌の細胞を守るとわかっても、やはりシミやそばかすの元になるのは間違いないですから、やはり嫌な存在だと思います。
しかし、紫外線を浴びることでできたメラニンが全てシミやそばかすになっているわけではありません。
それでは、メラニンがシミやそばかすになるまでの過程について紹介していきます。
紫外線を浴びると…
紫外線を浴びた肌には活性酸素が発生します。
その活性酸素から細胞を守るために、メラニンが作られます。
メラニンが作られるのは、肌を黒くして守れ!という指令のもとに作られているため、だんだんと肌の表面に表れてきます。
肌の生まれ変わり(ターンオーバー)との関係
お肌は、定期的に古い角質がはがれ落ちて、生まれ変わっています。
この肌が生まれ変わる周期のことを、ターンオーバーと言います。
肌の表面に出てきたメラニンも、ターンオーバーによって垢と一緒にはがれ落ちます。
「いずれはがれ落ちるんなら、あんまり気にしなくていいじゃない!」と感じるかもしれませんが、油断は禁物です。
メラニンが全部ターンオーバーではがれ落ちてしまえば、シミやそばかすで悩む人はいなくなるはずですよね。
過剰に作られたメラニンがターンオーバーの乱れによって表皮細胞に居続けると、色素沈着を起こしてシミやそばかすになってしまうことがあります。
ターンオーバーについて
美肌を保つために、ターンオーバーが正常に行われることは大切です。
しかし、年齢を重ねることで、ターンオーバーは乱れがちになります。
その他にも、食生活や睡眠、ストレスなどの生活習慣の影響により、若い人でも肌のターンオーバーが乱れることもあります。
ターンオーバーの正常化を目指して
メラニンを肌に留まらせないようにすることが、シミやそばかすの数を減らすことにつながると考えられます。
そのため、ターンオーバーを正常化して、できるだけメラニンを垢と一緒にはがれさせることが大切です。
ターンオーバーを正常にするには、生活習慣を整えることが重要です。
特に、食生活は大きく影響し、ビタミンAやビタミンC、ビタミンB6、ビタミンE、亜鉛を含む食材を積極的に摂取すると良いとされています。
その中でも、ビタミンCはメラニンの生成を抑えることで知られていますが、ビタミンCは一度に過剰に摂取しても身体の中に蓄積されにくいため、こまめに摂ることが大切です。
毎日食材から摂取することが難しいかたは、サプリメントなどを活用してみてはいかがでしょうか。
美しい肌を保つために
メラニンがシミやそばかすを作る原因や、その過程について紹介しました。
ターンオーバーが正常化するように気をつけることで、メラニンが表皮に留まるのを防いで、シミやそばかすになりにくい状況を作ることが大切ですね。
しかし、生活習慣に気をつけても、年齢には敵いませんよね。
そんな時には、自然に肌の生まれ変わりに任せるだけではなくて、少しケアすることで美肌が作りやすくする方法を試してみましょう。
ターンオーバーにより、肌の古い角質がはがれていきます。
もし、肌がごわついてしまっているようなら、自分で古い角質をとってあげることもできます。
ピーリングは、フェイスエステなどでも行えますが、市販されているピーリングジェルなどを使って気軽に行うこともできます。
肌に負担がかからないよう、こすりすぎには注意して行うと、肌触りのよいスベスベの肌に近づきます。
スベスベの肌になると、化粧のりもグンと良くなって、肌のトーンもあかるくなります。
メラニンが髪の色に与える影響
ここまでは、メラニンが肌に与える影響についてご紹介しました。
メラニンは、肌だけではなく、髪の色にも影響を与えます。
美容を意識する人にとっては、肌だけではなくて、髪のことも気になりますよね。
それでは、髪の毛の色とメラニンの関係について見ていきましょう!
メラニンが地毛の色に与える影響
メラニンには2種類あり、その種類や量については人種や地域、個人差があるとご紹介しました。
髪の毛の色についても、肌の色と同じように、2種類のメラニンの量によって変わってきます。
白髪になるのもメラニンが影響する!
年齢を重ねるにつれて、肌の悩みと同じように女性を悩ませるのが、白髪ですよね。
確かに、白髪になるのは加齢が影響しますが、どうして年を重ねると白髪ができやすくなるのでしょうか。
そこにも、メラニンが関係しています。
白髪になる理由
メラニンは、メラノサイトという色素を作る細胞で作られ、髪の毛の色に影響します。
肌と同じように、髪の毛の中にあるメラニンは、紫外線から守る役割も果たしています。
髪の毛が生え替わるサイクルは、3年~6年と言われています。
無理矢理抜かなくても、自然に数年で抜け落ちて、新しい髪の毛が生えてくるんですね。
髪の毛の根っこにある毛球と呼ばれる部分は、髪の毛が抜ける時に一緒に抜け落ちてしましますが、この毛球部にメラニンを作るメラノサイトがあります。
通常、新しい髪の毛が生える時には、この毛球も新たにでき、メラノサイトがメラニンを作ることで髪の毛の色も今までと同じ色で生えてきます。
これは、若くて頭皮の状態がよいかたは、当たり前のように行われているサイクルなのですが、年を重ねたり、病気になったりすると、状況は変わってきます。
加齢や病気などの影響を受けると、メラノサイトがしっかり機能しないことがあります。
そして、メラニン色素がしっかりと作られないことにより、髪の毛の色に影響を及ぼします。
メラニン色素がしっかりと作られなくなった髪の毛は、色がうすくなったり、白髪になってしまいます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、メラニンと肌の関係や、髪との関係、シミやそばかすができる過程についてご紹介しました。
メラニンは、美肌作りの邪魔をするだけではなくて、肌の細胞を守る役割も果たしています。
また、メラニンが過剰に作られる原因は紫外線です。
ですから、できるだけ紫外線から肌を守ることで、メラニンが作られるのを抑えることができます。
紫外線は、1年中降り注いでいます。
また、天気の日だけではなく、曇の日や雨の日にも降り注いでいます。
家や車の中でも、油断はできません。
UVカット効果のない窓ガラスの場合、家の中にも紫外線は降り注ぐため、日焼け止めは1年中欠かすことができません。
肌のターンオーバーを正常化するためにも、規則正しい生活と、紫外線から肌を守ることを忘れずに過ごし、美肌を維持していきましょう。