冬になると足が痒い!それって皮脂欠乏症かも!?
2018.08.07
肌の悩みは様々あると思いますが、乾燥肌に悩んでいるかたは多いのではないでしょうか。
しかも、乾燥肌は放っておいたら治療が必要な状態になることもあります。
その一つとして、皮脂欠乏症があります。
皮脂欠乏症は、もともと中高年に多い肌の病気でした。
しかし、最近では若い人にも増えてきています。
乾燥肌がひどいし長引くと感じる人は少し注意してみましょう。
今回は、皮脂欠乏症の症状や予防法についてご紹介します。
ただの乾燥肌って思ってない?
・冬になると、きまってスネのあたりが粉をふく…
・夜、布団に入ってしばらくすると、体がかゆい
・いつも肌がガサガサしている
心当たりはありませんか?
肌の痒みや痛みなど、一時的なものだと気にしないで過ごす場合もあると思います。
特に、冬は乾燥しやすい季節ですから、“仕方がない”と放置しやすいですよね。
ただ、もし肌の痒みや痛みが長引くようならちょっと心配に感じないでしょうか。
それはもしかしたら、皮脂欠乏症かもしれません。
皮脂欠乏症って何?
皮脂欠乏症は、乾皮症とも言われます。
自分は乾燥肌だな、と自覚している人は、これからご紹介する内容と照らし合わせてみてくださいね。
皮脂欠乏症の原因は?
皮脂欠乏症の原因は、肌が乾燥して角質がはがれることで痒みを起こします。
肌はいつも、汗と皮脂の膜によって保護されている状態で、この膜によって水分が蒸発しすぎるのを防いでいます。
しかし、加齢や空気の乾燥、洗いすぎなどの影響で皮脂が少なくなると、十分な皮脂膜ができなくなり、保湿力が弱まります。
そして、水分が過剰に蒸発することで皮膚は水分を失い、角質がはがれて洗剤やアレルゲンなどが皮膚の内部に入りやすくなり、痒みがでやすくなります。
どんな症状が出るの?
皮膚の痒み、痛み、亀裂、ひび割れ、ガサつきが代表的です。
入浴後や就寝時など、血液の循環が良くなると痒みが起こりやすくなります。
暖房で暖まった部屋で過ごしている時にも痒くなりやすいです。
また、空気が乾燥する時期である秋~冬にかけて、症状を訴える人は多くなり、夏には自然と治ってしまう人もいます。
クーラーが効いている部屋で過ごす時間の多い人は、夏でも皮脂欠乏症による痒みや痛みを感じる場合もあります。
皮脂欠乏症を引き起こす原因には、空気の状態や湿度、温度などもあります。
皮脂欠乏症になりやすい部位は、膝から下や腕が多いですが、おしりや太股、顔などにもあらわれます。
どんな人がなりやすいの?
若い人は、「確かに冬は粉ふいたり乾燥して痒くなったりすることはあるけど、たいしたことない」という人も多いかもしれません。
確かに、皮脂欠乏症は加齢に伴い起こりやすくなるため、中高年に多いです。
性別では、女性の方が男性よりも早い段階で悩む場合が多いです。
ただ、皮脂欠乏症は、中高年ばかりが発症するわけではありません。
若い人の中にも、アトピー性皮膚炎のかたは乾燥しやすい肌のため、皮脂欠乏症になりやすかったり、生活習慣が影響する場合もあります。
皮脂腺が発達していない子どもにも発症する可能性があります。
皮脂欠乏症は、その程度は違いますが、加齢によるものが全てなのではなく、誰でもなりうる自然な肌トラブルなんです。
皮脂欠乏症を放っておくと…?
「ちょっと痒いけど、病院に行くほどじゃないから」と対策をとらず放っておくと、症状が悪化してしまうかもしれません。
何もせずに放っておくとどうなるのでしょうか。
皮脂欠乏性湿疹
皮脂欠乏症によって肌が乾燥し、角質がはがれて痒みを伴う状態が進行すると、皮膚がひび割れたり、赤みが出たり、痒みの程度が増し湿疹が見られることがあります。
これが、皮脂欠乏性湿疹です。
こうなってしまうと、痒みに対するストレスが増し、夜に眠れないほどの強い痒みがみられます。
痒みによって睡眠不足になると、生活リズムが崩れて、疲労がたまってしまうことも。
貨幣状湿疹
皮脂欠乏性湿疹がさらに進行すると、貨幣状湿疹になる場合があります。
貨幣状湿疹は、その名の通り円形の赤い湿疹が出たり、水疱を伴う場合もあります。
痒みはさらに強くなり、掻いてしまうことで水疱がやぶれると、そこからバイ菌が浸入して繁殖、化膿につながることもあります。
自分でできる皮脂欠乏症対策とは?
皮脂欠乏症は、毎日の生活の中で少し気をつけるだけで、改善する場合があります。
もちろん、掻かずにはいられないほどの痒みがある時や、痛みがある時は、皮膚科受診が一番です。
専門医の診察を受け、処方された薬はきちんと服用しましょう。
病院に行くほど悪化しないよう、ふだんから気をつけるべきポイントを五つご紹介します。
皮脂を落としすぎない
入浴時に長い時間お湯につかったり、熱いお湯で身体を洗ったり、ナイロンタオルでゴシゴシ擦りすぎると、必要な皮脂まで落としてしまいがちです。
身体を洗う時には、たっぷりの泡で、やさしく手で洗うことをおすすめします。
また、家事や職場で水仕事が多いかたは、ゴム手袋を着用したり、水仕事の前後に保湿するよう心がけましょう。
肌のうるおいを保つ
肌の乾燥を防ぐために、保湿クリームなどでうるおいを補うことも効果的です。
浴槽につかるときには保湿効果のある入浴剤を使ったり、お風呂上がりには早い段階で保湿クリームで保護しましょう。
環境に気をつける
空気が乾燥する秋~冬にかけては、加湿器や洗濯物の部屋干しなどで湿度を上げる工夫をしましょう。
また、外出時には露出を少なくすることで乾燥を防ぐように気をつけると効果的です。
肌への刺激を避ける
乾燥した肌はデリケートです。
肌着は木綿のものを選んだり、ゴムがきつすぎないものを選ぶことで刺激を少なくすることができます。
痒みがある時には、掻いてしまいがちですが、掻くとさらに痒くなり悪化が加速します。
また、念のため爪は短く切っておきましょう。
食べ物、飲み物に工夫する
アルコールや香辛料は、体温を上げる効果があります。
体温が上がると身体にとってメリットも大きいですが、痒みは増します。
また、ほうれん草やタケノコ、里いも、トマト、イチゴ、チョコレートなどは、痒みを引き起こすヒスタミンという成分が含まれています。
痒みがある時には、ヒスタミンが含まれるものやアルコール、香辛料はほどほどに摂取しましょう。
皮脂欠乏症についてまとめ
いかがでしたか?
今回は、皮脂欠乏症についてご紹介しました。
肌の乾燥がきっかけで、水分が保てなくなることで痒みやひび割れ、ガサつきが起こっています。
さらに、悪化してしまうと湿疹が出たり、痒みがひどくて眠れないなどの症状につながったり、水疱にまで発展する可能性まであります。
私たちが日常生活の中で行えるケアはたくさんあり、皮脂を落としすぎない工夫やうるおいを保つ工夫、環境を整えるなどに気をつければ、悪化を抑えることも可能です。
程度はそれぞれですが、冬には乾燥肌が気になるかたは多いはずです。
今年の冬は、乾燥対策をして健康な肌を保ちたいですね。