紫外線吸収剤の原理とは?日焼け止めの効果や成分について解説

2019.02.07

青空と太陽

紫外線吸収剤による日焼け止めの原理とは?

紫外線吸収剤は、SPFやPAなどと違い、あまり聞いたことがない、もしくは聞いたことはあってもどのようなものなのか具体的にわからないという方がほとんどなのではないでしょうか。

多くの市販UVアイテムの成分にはこのような紫外線吸収剤などが入っています。

そこで今回の記事では、日焼け止め、紫外線吸収剤の原理について詳しく解説します。

紫外線吸収剤の原理とは?

原理
紫外線吸収剤は、UV吸収剤、サンスクリーン剤とも呼ばれ、主にベンゼン核を持つ有機物により、紫外線を熱エネルギーに変換することで吸収し、変換した熱エネルギーを放出するというメカニズムがあります。

紫外線吸収剤は太陽光や蛍光中の紫外線を吸収することができ、それ自体の構造が変化しない物質なので、高エネルギーの紫外線光を熱エネルギーに変換し、光波を放出することによって紫外線からの損傷を回避することができます。

紫外線吸収剤は主にプラスチック、ゴム、塗料、染料等の光安定剤として用いられており、これらが長時間にわたって太陽光に晒されるため引き起こした光分解を防止することができます。

以下は紫外線吸収剤の資料を参考にしたものです。

紫外線(略してUV)はたとえばBHCの合成、光重合といった光化学反応に用いられ、またケイ光灯、ケイ光増白剤の応用上必要かくべからざるものである。
さらにUVによる殺菌効果とか光電効果はわれわれに有用な応用を可能にさせる。



・省略

紫外線吸収剤の作用原理

UVによる諸現象はいずれも光化学反応にもとずくものであるから、まず、光化学初期過程、つまり分子が光を吸収したときどのようになるかを知る必がある。
いま、ある分子AがUVを吸収する場合を考える。
この場合、吸収光のエネルギーがA内の各結合の解離エネルギーに比し小であれば〔1〕式 のように電子励起される。
これに反し、励起光のエネルギーがA内の最も弱い結合エネルギーより大であれば〔2〕式のようにラジカル解離が起る。

A + hv → A* 〔1〕
A + hv → ラジカル解離 〔2〕

出典:紫外線吸収剤の資料「PDF」

更に詳しく確認されたい方は、こちらからpdf資料を見ることができます。

このような原理のある紫外線吸収剤をもう少しわかりやすくまとめると、

  • 紫外線を吸収する化学物質
  • 紫外線を吸収すると肌の表面上で化学変化を起こし紫外線の影響を和らげる
  • パルソールA、桂皮酸などが成分
  • 敏感肌の方はこの化学変化が刺激になることがある

他にも紫外線防止対策として用いられる成分には、反射材や抗酸化剤があります。

紫外線反射材

大量の窓鏡
紫外線反射材(紫外線散乱剤)の成分は、酸化チタン、酸化亜鉛などによるもので、鏡のように金属を用いて紫外線を反射させ、肌に紫外線が届かないようにさせます。

活性酸素が生成されるので、肌の老化が進むと言ったデメリットや毛穴をふさぐため皮膚呼吸が阻害されるといったデメリットがあります。

紫外線抗酸化剤

紫外線抗酸化剤の成分は、ビタミンC、E、コエンザイムQ10、アスタキサンチンなどがあります。

紫外線による肌の酸化を軽減させて紫外線から肌を守ってくれます。

活性酵素を抑えながら、メラニンの生成やシワを防止する効果が期待できるのですが、抗酸化の働きが高すぎるので、反射材や吸収剤の補助として用いられるのが一般的です。

紫外線吸収剤のデメリット

紫外線吸収剤はその原理から高い紫外線防御効果が期待できるのですが、その反面デメリットも存在します。

吸収剤は基本的に、油状物質の無色透明なオイルで色が付きにくいのですが、乾燥や刺激が強いことが挙げられます。

紫外線吸収剤は、紫外線を吸収することで、熱エネルギーに変換して外部に放出させるのですが、そのときに皮膚の水分が蒸発してしまうので乾燥を起こしてしまうのです。

このような、長波長域(UVA)を得意とする紫外線吸収剤は、化学物質が分解するときにエネルギーを放出させるので、敏感肌のような肌が弱い方には刺激として感じてしまうことがあります。

また、紫外線吸収剤は、紫外線を浴びることによって吸収剤そのものが分解されてしまうので、時間の経過とともに効果が弱まるので、このタイプの日焼け止めの場合は塗り直しが必要となります。

紫外線吸収剤とSPF・PAとの違い

SPF
SPFやPAはよく聞いたり、日焼け止めに大きく記載されたりしているので見たことありますよね。

これらは、日焼け止めとしての強さや効果を表す目安で、SPFは10~50(50を超える場合は50+)、PAは+~++++までの4段階で記載されています。

SPFはSun Protection Factor(サンプロテクションファクター)の略で、紫外線防御指数、日焼け止め指数の意味があり、PAはProtection Grade of UV-A(プロテクショングレイドオブユーブイエー)の略で、UV-Aの保護等級といった意味があります。

どちらも紫外線から肌を守る効果を数値で表しているのですが、PFは紫外線B波(UV-B)の防御指数、PAは紫外線A波(UV-A)の防御指数といった違いがあります。

このようなことからSPFとPA、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤などは別のものという認識ができるのです。

「紫外線吸収剤」は、紫外線を吸収して熱エネルギーに変える作用を持つ科学物質で、高い紫外線予防効果が期待できる反面、紫外線を吸収する際に肌の上で化学反応を起こすため刺激があり、肌に負担をかけるというデメリットがあり、「紫外線散乱剤」は、紫外線を肌の上で反射する物質なのですが、肌が粉っぽくなったり、肌が乾燥したりするといったデメリットがあります。

紫外線吸収剤フリーの日焼け止めはある?

肌吸収
最近でも、市販の日焼け止めにも紫外線吸収剤が配合されていない商品が増えてきました。

SPFやPAが高数値でしっかりと日焼け対策できるものでも、成分に紫外線吸収剤の記載がないものもあるので、肌が敏感な方は、成分をよく確認した上で購入するようにすると良いです。

また、ファンデーションなどのベースメイクにも紫外線吸収剤が使用されている商品が多くあるので、肌が弱い方はしっかりと配合されている成分を確認した上で購入するようにして下さい。

また、美白にこだわるような方で日焼け止め効果の高いものを求める方は、飲む日焼け止めもおすすめです。

飲む日焼け止めは、サプリメントなので肌に直接塗ったりすることもないので肌荒れの心配などもありません。

飲む日焼け止めの有効成分には、「ニュートロックスサン」と「フェーンブロック」の2つがあります。

このうちの、ニュートロックスサンは、医学誌に評価論文が掲載され、医学的に効果が認められた体に安心・安全な成分です。

そんな飲む日焼け止めもさまざまな商品があり、値段も安価なものから高価なものまであります。

選ぶ際は、これらの有効成分がしっかりと配合されているものを選ぶようにして下さい。

また高価なものでも、公式サイトなどで購入すれば、嬉しい特典や継続に易しい割引などもあるのでお得に商品を購入することができます。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、日焼け止め、紫外線吸収剤の原理について紹介してきました。

紫外線吸収剤は、紫外線を吸収して熱エネルギーに変える作用を持つ科学物質で、高い紫外線予防効果が期待できる反面、紫外線を吸収する際に肌の上で化学反応を起こすため刺激があり、肌に負担をかけるというデメリットがあります。

そのため、高い紫外線予防効果があっても、敏感肌の方には適さないと言えます。

敏感肌の方で効果的に紫外線対策を行いたいような方は、飲む日焼け止めサプリなどで対策をすることがおすすめです。